東京高等裁判所 昭和44年(う)1183号 判決
被告人 酒井孝一
〔抄 録〕
原審記録の各証拠によれば、被告人は本件交差点に西方より進入して、右折態勢に入つたが、四・八〇メートル進行した途端に自車の左前部附近を被害者の自動二輪車の前部に衝突せしめたこと、時速約四〇キロメートルで進行中の被害者は被告人が右折にかかつたことを認めるや急停車の措置をとつたが、六メートルのスリツプ痕を刻して衝突したことを肯認しうべく、かかる状況よりすれば、被告人は右折を開始し、車体が右向きになりかかつた際、本件衝突が生じたものであることが窺われるのであり、従つて被告人運転の自動車は、未だ道路交通法三七条二項にいう「当該交差点において既に右折している車両等」に該当しないものというべきである。
(江碕 龍岡 藤野)
(注、本件は量刑不当で破棄)